ゴッホ展 2021
今回のゴッホ展は、ヘレーネ・クーミュラーという女性の資産家の方が収集したコレクション。
ゴッホの絵画がまだ評価の途中にあった頃から収集し、生涯に渡りゴッホの美術館の設立に情熱を注いだのだそう。
ゴッホだけでなく、彼女の他のコレクションも展示されている。
私が印象的だったのはこれ。
《静物(プリムローズ、洋梨、ザクロ)》 アンリ・ファンタン=ラトゥール 1866年 クレラー=ミュラー美術館 ⒸKröller-Müller Museum,Otterlo,The Netherlands
黒い背景に果物の色とお花の組み合わせがとても素敵だった。
そしていよいよゴッホの作品へ。
とはいっても、いきなり油絵は出てこない。
27歳で絵を描きはじめたようで初期は、鉛筆や木炭で描かれた素描ばかり。
独特なゴッホの力強さはまだ感じられず、ただ暗い絵が多く哀しみが感じられた。
ゴッホは新印象派の影響を受けたようで、点描画法も試していた。
こっちはミレーの影響を受けて描かれた、種を蒔く人。
黄色の感じが、ひまわりの黄色を連想させる。
ゴッホは自然や素朴な農業従事者のポートレイトを好んで描いていたけど、自然に聖なる何かを感じていたんだと思う。
そしてやっぱり、圧巻の糸杉は観れてよかった。
ゴッホといえば、このダイナミックな描き方だけど、今回はそれまでの軌跡を辿れるような紆余曲折が観れてよかった!