東京サリーのベターライフ。

ベスト、じゃなくてベターでいい。

原田マハさんの独立記念日を読んで

原田マハさんの「独立記念日」を読んだ。

 

恋愛や結婚、進路やキャリア、挫折や別れ、病気や大切な人の喪失…。さまざまな年代の女性たちが、それぞれに迷いや悩みを抱えながらも、誰かと出会うことで、何かを見つけることで、今までは「すべて」だと思っていた世界から、自分の殻を破り、人生の再スタートを切る。寄り道したり、つまずいたりしながらも、独立していく女性たちの姿を鮮やかに描いた、24の心温まる短篇集。

 

独立記念日と逃げ恥のゆりちゃん

さまざまな年代のさまざまな女性が「独立」をしていく短編集。

ここでいう独立とは、

「会社とか家族とか恋愛とか、現代社会のさまざまな呪縛から逃れて自由になる」ということ。 決して大きな展開があるわけではないけど、一歩踏み出しささやかな幸せに向かっていく女性たちの物語。

ドラマ・逃げ恥の石田ゆりこ演じるゆりちゃんの言葉を思い出した。

若い女性に年齢をバカにされた時のセリフだ。

「私が虚しさを感じることがあるとすれば、あなたと同じように感じている女性がこの国にはたくさんいるということ。今あなたが価値が無いと切り捨てたものは、この先あなたが向かっていく未来でもあるのよ。自分がバカにしていたものに自分がなる。それって辛いんじゃないかな。私達の周りにはね、たくさんの呪いがあるの。あなたが感じているのもその一つ。自分に呪いをかけないで。そんな恐ろしい呪いからは、さっさと逃げてしまいなさい」

私たちが生きる世の中には、さまざまな呪縛がある。

そして世間がかける呪いを気づいたら、自分が自分でかけているのかもしれない。

 

転がってみれば

そうは思っても、一歩踏み出すには勇気がいる、大人になればなるほど。

本作の短編・転がる石の話で、いわゆるDV?モラハラ?彼氏と別れる決心がつかない主人公に、精神科の女医がこう声をかける。

「いいじゃないですか。転がってみれば?気持ちいいわよ。『転がる石に苔むさず』ってね。転がってるうちに、悪い運も落ちちゃうかも。」

aikoも「一度や二度転んでみれば」って言ってたっけ。

あんまり思い詰めなくても、転がってみればいいのかも。

葛藤と戦っているのは自分だけではないことも本書が教えてくれる。

脇役に出てきていた人が次の短編では主人公になっている。

今自分の横に座っている見知らぬ人も、カフェの店員さんにも、今朝電車で向かい側に座ってた中学生にも、マンションの清掃員の方にも、、それぞれに人生があるんだな。

それぞれ、みんな何かと葛藤してもがいて、完璧な人生なんて存在しない。

 

深呼吸して、少し肩の力を抜いて。 私もさあ一歩を踏み出そうかな。

なんて、とっても久しぶりにブログを書く一歩を踏み出す勇気をもらいました。